噴火の爪痕残る御嶽山

10月11日

 

 戦後最悪の火山災害から9年、本年やっと田ノ原登山口から剣ヶ峰まで入山可能となった。10月11日は9合目を14時までに下山することが条件で本年最後の入山日だ。明日12日から来夏まで田ノ原登山口は閉鎖される。その最終日に剣ヶ峰を目指した。

   剣ヶ峰から二の池方面

 

8合目付近の樹林は紅葉が始まっている。樹林を抜けるとハイマツ帯となり一気に視界が開け、見上げれば大滝頂上まで確認できる。八合目、九合目には石室と呼ばれる避難小屋があり、大滝頂上まで急登が続く。

 

 



頂上直下になると硫黄のにおいが鼻をつく。継母岳方面は通行禁止となり、噴火前に大滝頂上にあった頂上山荘は取り壊され、新しく避難小屋が建っていた。この先では噴気口から吹き上げる蒸気が確認できる。

 

八丁ダルミまで下り、剣ヶ峰まで一気に登る。見渡す限り岩礫で、最近降った雪が残り、火山灰でぬかるみも出来ている。噴火時にはこの辺りで最も多くの犠牲者を出したそうだ。未だに数名の行方不明者がいる。合掌

 


 最高峰の剣ヶ峰にあった頂上小屋も新しい避難小屋に生まれ変わった。鳥居は霜で凍てつき3000mの厳しさを物語っている。

穏やかな気候で360°素晴らしい眺めの中にいると当時の惨事が信じがたいが、眼下の一の池、二の池は多くの火山灰で覆われているのが確認できる。





今日が本年入山最終日のためか平日にもかかわらず多くの登山者と行き会った。噴火後初めて剣ヶ峰を踏み、噴火の大惨事に思いを巡らせながら田ノ原に下ってきました。

2023年10月17日