2月21日
冬のテント泊装備の重荷を背負っての体力には自信はないが、冬期避難小屋を利用することで薬師岳に行ってきました。それでも冬装備一式を背負うとなると夏のテント泊装備以上の重量があるのかもしれません。
夜叉神の森駐車場に駐車していた車は1台だけで静まり返っている登山口を7時前に出発しました。例年より雪が少ないのか途中までの登山道に全く雪がなく、30分ほど登ったところでアイゼンを着け夜叉神峠へ、ここまでは雲一つない快晴だ。

薬師岳まで日帰りの予定で早朝入山したという単独行の女性が下りてきたので、この先の登山道の状況を聞く。今日初めて出会った登山者で、その体力には驚いた。
南小室小屋までおよそ5時間、昼食後薬師岳小屋を目指す。
砂払岳手前では膝まで埋まる雪に歩みが鈍り息遣いが荒くなりながらも一歩一歩前進する。ここが今日一番厳しかったが登りきると薬師岳小屋は目前だ、ここは展望が開ける場所だが残念ながら周辺は雲に覆われてしまった。


小屋に荷物を置き薬師岳山頂まで行ったが、曇天で早々小屋に戻りシュラフに潜り込み一昨年新装なった薬師岳小屋の冬期避難小屋に一晩お世話になった。床には厚い断熱ボードが敷かれ、シュラフだけで寒さをしのげたのは有難い。
夜中に外に出ると満月の月明りで無風、明日の天気は期待できそうだ。
2月22日
翌朝日の出前に薬師岳山頂に立つと、昨日の辛い登りを全て忘れさせてくれた素晴らしい光景が広がっているではないか、思わず歓声を上げてしまった。




下山道は一部凍結しており慎重に下る。杖立峠手前で単独行の男性と会った他は入山者と会うことはなかった。夜叉神峠まで来るとここにテント泊して明日薬師岳を目指す大学生4人のパーティが登ってきて、静かな山中で若者との会話も弾む。


1時過ぎには夜叉神の森駐車場に無事下山することができ、その後は花粉症との戦いが始まった。
このルートは何度となく登っているが、重荷を背負っての雪上歩行で今回が一番厳しかった。それ故に得られた絶景との出会いだった。