冬の富士山・馬返し~五合目

2月05日

 

富士山世界文化遺産登録から今年の6月で10年。多くの歴史遺産が残る吉田口登山道は、中の茶屋や大文司屋の再建で見直しの気運が高まっている。富士浅間神社を起点とする吉田口登山道は、五合目から山頂をただ目指すだけではない新たな魅力を秘めている。


この気運の高まりを受け、新年度からは史跡の調査や登山道の整備、山小屋の再建等に向けた新たな取り組みが行われる、馬返しから佐藤小屋まで冬の吉田口登山道を歩いてみた。

この鳥居から奥は神域であるという雰囲気が漂っている。

シーズン中はここ馬返しまでバスが入り、ここから入山する者も増えている。この時期でも8時過ぎに着くと駐車場はほぼ満車で、前日から入山している登山者もいるようだ。

 

 

一合目鈴原社、大日如来を祀っていた社があったが内部は荒れ果てており、二合目御室浅間神社本殿は里に移築され建物は無残な姿で倒壊している。

 

 

三合目は三軒茶屋と呼ばれた茶屋跡があり、河口湖方面の展望が開け絶好の休憩場所だ。五合目までに数件の小屋跡があり、富士守稲荷の鳥居を過ぎれば佐藤小屋が見えてくる。

 

 

佐藤小屋まで3時間、小屋に宿泊して雪上講習の団体パーティーに行き会った他、個人での入山者は数名だ。

五合目は天と地の境と言われた。山頂は雲に覆われていたが幸いにも風が弱く、奥秩父の山々や河口湖、山中湖方面には青空が広がり、わずかな間だが展望も楽しむことが出来た。

 

これからは富士登山の歴史や文化に触れながら麓から登る登山者も増えるだろう、 吉田口登山道が今後どのように変貌していくのか、新年度からの取り組みを見守りたい。

富士講が盛んだった時代に思いを馳せながら快適な雪山を楽しむことが出来た今シーズン初の雪山でした。

2023年02月07日